ウルトラマンで分かる「読書感想文」のコツ
浦和の学習塾Be-1(びーわん)では、保護者様に毎月「ニュースレター」を発行しています。
今回はその中の特集の一つ、「読書感想文のコツ」についてご紹介します。
「私、感想文は得意なの!」
とある中学生が言っていました。
小学生の時に、Be-1の読書コースで「感想文」トレーニングをしていた生徒です。
「感想文」を書くコツが分かっているそうです。
でも、そんな生徒ばかりではないので、夏休みの読書感想文の宿題に役立つように、感想文のコツをまとめてみました。
アラスジ紹介にしない
「感想文」は、感想が書いてあるから「感想文」です。
「スゴかった」「おもしろかった」が書いてあるだけで、ほとんどが「アラスジ」なのは感想文とは言えません。
自分の“今”と比べる
読み手に内容を伝えるために、アラスジ(内容紹介)は必要です。アラスジに触れたら、次にその内容と今の自分とを比べてみましょう。
例えばウルトラマンで感想文を書いてみると、こんな感じになります。
ウルトラマンで感想文
ウルトラマンはM78星雲から一人でやってきて、地球の平和のために怪獣と戦います。
(ここまではアラスジ)
僕も地球の平和のために、怪獣と戦って地球を平和にしたいけど、お母さんやお父さんと離れて地球で一人で暮らすのは寂しいです。
怪獣にやられて怪我をしても、誰も看病してくれません・・・
(今の自分と比べてみる)
こんな感じで、本の内容に触れながら、「もし自分だったら」というように、今の自分と比べて書きます。
この「自分と比べる」部分が感想文になります。
「スゴかった!」は感想ではなく、感情を表しているだけです。
「超感動!」を表現しよう!
さらに上のレベルの感想文にしてみましょう。単に今の自分と比べるだけでなく、主人公のどこに感心したのか、どこがスゴイと思えたのかを表現してみましょう。
★自分なら同じことができたか?
★自分ならもっと違う事をしたのではないか!
★もし自分だったら・・・
このように、自分と比べるだけでなく、もう一歩深めて考えてみます。
主人公にあるけど自分には無いもの(あるいはその逆)に触れていきます。
ウルトラマンで「超感動」感想文
ウルトラマンは怪獣が現れると、どんな時でも怪獣と戦う事を優先します。
怪我をして辛い時でも、ウルトラマンになり、地球の平和のために闘います。
でも僕は、強くありません。
弱い者いじめも嫌いです。
僕だったらまず怪獣の悩みを聞いてあげます。
怪獣たちが地球にやってきたのは、何か理由があるからです。
そしてその悩みを解決して、怪獣を宇宙に戻してあげます・・・
(自分だったらどうのように対応するか考えてみる)
さらに一歩上の「小論文」へ
感想文は、「感じたこと」を書いたものです。小論文は「考えたこと」を書いたものです。
ちょっと難しい表現を使うと、感想文は「個人的な体験に基づく主張」で、小論文は「普遍的な事実に基づく主張」です。小論文は、論理的に自分の考えを伝える文章になります。
例えば、上のウルトラマンの感想文を小論文にするには、上の感想文の続きを次のようにすればよいのです。
ウルトラマンで小論文
ウルトラマンでは隊員が死んでしまい、みんなが悲しむ場面が出てきます。
そして今、TVでは安倍首相が「日本を守るためには戦う事が必要だ」と言っています。
でも戦争はお互いを不幸にさせるだけです・・・
そしてこの小論文は、いろんな角度から主張できます。
小論文の問題
電車の優先席に座っていたら、元気そうな老人が前に立った。どうすればいいでしょう?
【解答1】
老人なので、席を譲るべきだ・・・
【解答2】
元気そうだし、本人は老人と思っていないかもしれない。席を譲るとかえって失礼になる・・・
感想文も同じように、いろんな角度から書くことができます。
お子様が書いた感想文を否定するのでなく、その話しをもっと深くしていくのはどうすればいいのか、一緒に考えてあげましょう。
一緒に考えてあげ過ぎて、お子様の感想文でなく、親御様の感想文になっていた・・・ということがないように気を付けてくださいね♪
感想文は上達します!
「速聴読そくらてす」では、1冊の本を読み終えると、感想文指導を行っています。
1回や2回だけでは上手になりませんが、感想文トレーニングを続けていくと上手に書けるようになります。
感想文も進歩してきます!
初めは、
アラスジ中心 → 次に、感想文へ
そして、全員ではありませんが、小論文的に書けるようになります。
公立入試での作文
公立の高校入試では、225文字の作文を書かされます。原稿用紙の半分以上の量です。
入試を考えても、感想文を書くのが苦手な生徒は、「速聴読そくらてす」の「感想文トレーニング」を通して、文章を書くことを得意にしておきましょう!